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河向こうのフェスティバル



スペイン北部旅行

イギリス暮らし15年となり、欧州のほとんどの国には足を踏み入れたものの、日本でも四国と東北がまったく異なる風景を見せてくれるように、欧州の国々も国内でまったく違う風景やグルメを見せてくれる。今回訪れたスペインのアストゥリアス地方も訪れるのは初めての土地。禿山にオレンジの木なんてイメージのスペインをくつがえしてくれる土地だ。到着したのはサンタンデール。レンタカーをして早速近くの予約していたCasona Del Judioというちょっとしゃれたレストランへ。いまいちメニューの仕組みが分からなかったが、おすすめの前菜にメインが選べるコースをオーダー。磯の香りのするバターにカルダモン風味のソースのかかった前菜などおしゃれで斬新でとてもおいしい。娘のオーダーしたコロッケやカラマリもおいしくて、メインのHakeやラムも。雰囲気も値段も味も満点のレストランだった。その後サンティリャーナ デル マルという中世のたたずまいを残した街へ。小さいが石畳の街を歩いて、拷問博物館を見たり。本当は私一人で見るつもりだったが、「子供はただよ」なんて言われて、娘も連れて入ってしまい、おびえさせてしまった。。。大変申し訳ないことをしたと大反省。立ち食い用に牛乳とカステラのセットを売っているお店があり、そこの牛乳が絶品。シーズンオフだからか食堂がどこもやっていなくて探すのに苦労をしたり、また宿代をけちったため、普通の大きさのダブルベッドに3人で寝るはめになったのは残念だが、それも経験?

翌日は雪の残る頂の山々を遠くに見ながら一路オビエドまでドライブ。2時間あまりのドライブだが、Youtubeで昭和の歌謡を娘に聞かせたりしてけっこうあっという間に到着。どこに行くにも歩いてくれるし、本当に旅を一緒にするのが楽になった。お昼はオビエド近くの町の19世紀の後半からある由緒正しいレストランにて。アーティチョークのフライにうにとたこのパエリア。量が多くて最後には飽きてしまったものの、これはかなりおいしかった。オビエドでは、まずは世界遺産の町外れにある教会へ行き、周辺を散策。宿に到着してからはオビエドの町を歩きまわる。お昼があまりにも多くて夕食になってもおなかがすかなかったため、夜はスナックやいちごなどを買いこんで宿で食べる。

翌日はWalking。バスにて昔の鉄道駅の近辺まで行き、そこから昔の線路がフットパスとなった道を延々と街まで戻る。歩き始めてみると結構な距離があり、しかも起伏がなく単調なコースのために、すぐに娘が飽きてしまい、3時間以上もの散歩となった。公園で遊びながら、駆け込みセーフで昼食兼ディナーのお店に入り、典型的なこの地方の料理、豆の煮込みなどを食べる。全体的にこってりして味が濃い目のものが多い。そして夜はソコロフ!こんな小さな都市のホールだが、満員。最初の曲はドーミソシードレドのモーツアルトのソナタ。全音のソナタ全集の一つとして入っているもので、ピアノを弾く子供の誰もが通過する道。そんな単純な曲も彼の手にかかると、モーツアルトの神童たるゆえんを存分に魅せてくれる、昔あったウイスキーの広告「何も足さない 何も引かない」そのものの音楽が展開されていく。リピート部分では彼の遊び心がぽろぽろと加えられてモーツアルトと会話をしながら音楽をもう一度作っているよう。続くモーツアルトの曲はあまりなじみのない曲だが、彼にもこんなさまざまな要素、ドラマの詰め込みをみせてくれる音楽があったのだ、と開眼する。後半のベートーベンはこれまたソコロフ Vs. ベートーベンのがちんこ勝負。前回のハンマークラヴィアでも感じた、全身全霊をこめたベートーベンの作曲家魂に全力で対決する演奏家ソコロフといった感じ。前半のモーツアルトで一つ一つの音の純粋さやフレーズの美しさを楽しんだのとは異なり。どこに曲が持っていかれるのか、とはらはらしながら息を詰めた後半プログラムであった。32番の最終楽章もいつもはあの世の先、といった思いで聴くのだが、この日は、ぎりぎりの生への執念のように聞こえた。疲れるけど、やはり何度でも何度でも彼の演奏は聴きにいきたい。

アンコールはシューベルトやラモー、ショパンといった曲をたっぷりと。

翌日は朝昨日歩いたコースの途中までジョギング。宿を出てからはコミーリャスというガウディの建築のある海沿いの町へ行き、パエリアなどのご飯をたべて、最後にアルタミラ洞窟へ。残念ながら本物は見ることができないので展示のみだったが。

W.A. MOZART

Sonata in C major K. 545(1788)

Fantasia and Sonata in cminor K. 475/457

Fantasia K. 475 (1785)

Sonata K. 457 (1784)

L.VAN BEETHOVEN

Sonata in e minor n. 27 op.90 (1814)

Sonata in c minor n. 32 op.111 (1822)


by royalfestival | 2017-02-14 20:33 | Travelling light
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ロンドン・エジンバラ生活備忘録

by royalfestival
「あの青い空の波の音が聞えるあたりに
何かとんでもない落とし物を
僕はしてきてしまったらしい

透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった」
かなしみ 谷川俊太郎 二十億光年の孤独より

忙しい日々の中で落し物をしないよう、書き留めなくちゃね ロンドン生活備忘録。
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